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夜はこころの螺子が緩むので 「終わったら呑もうぜ?」 右手には酒、左手にはグラス、頭上に皿を乗せた状態でコックはテーブルへと近付く。 流しからキッチンの真ん中にあるテーブルまではそれほど遠くないのが、 足場の悪い船の中もでも、かちりとも食器類を音立たせある事もなくサンジは席に着く。 酒、グラス、皿の順番にテーブルへ並べていけば、 見事にその順番で目玉を動かす相手を見てサンジは口元を綻ばせた。 「ほれ。今日の漬物」 召し上がれと言う代わりに、一つ摘んで口元へ持っていけば、 小さなそれに対して不釣合いな程に大きく開いた口へと投下してやる。 「なかなか美味くなってきただろ?最近の俺的はやりは麹ちゃんなんだけど、 お前そんなに好きじゃないだろ?だからシンプルに塩漬け」 ほらと薦められた皿に、ゾロはぱちんと手を合わせ、ぱりぱりとお仲間の緑を噛む。 余分な水分が落ち、程よく萎びた中身と張ったままの皮が自分の歯に千切れるこの音が何よりもゾロは好きだと満足の笑みを漏らす。 「んー。本当は糠漬もやってみてぇんだけど、そうとう匂うからなぁ。チョッパーがきついだろうし、なにより船旅向きじゃねぇし。あー残念」 むしゃむしゃと共食いを始めた相手を嬉しそうに眺めながら、 サンジの口は上機嫌に回り続けるが、勿論給仕を忘れたりはしない。 陶器のグラスをほいと手渡すサンジは相手のご満悦なその表情に免じて、 ナミにも隠している秘蔵の清酒をかたりとテーブルへと置く。 「なんか、日に日に美味くなってくな。コレ」 ぱりぱりと次から次に胡瓜白菜蕪のあっさりとしたそれらを満遍なく交互に食べながらゾロが感想を漏らす。 麹、味噌、酢そして塩。 つまみに漬物が欲しいとゾロがねだってから、しばしば登場するそれらの漬物は、幼少のみぎりより、 お茶請けには漬物という暮らしを長年続けてきた爺くさいゾロを満足させるに充分な味をしている。 それどころか、日々進化をしているようで、 今まで食した事の無いような絶妙の塩加減でそれらが登場する。 「…おまえは日に日に口が上手くなってるぜ」 ゾロの故郷の料理に近い食事を出す島でそれを習ってから、 毎晩のように格闘して来た結果が今ここでようやく実り始めていると、 まっさらなテーブルクロスがかかったテーブルの下でサンジはちいさくガッツポーズを決める。 昼間、他のクルーが居る場面で同じ台詞を言われても、眉一つ動かさない自信があるが、 こうして夜、皆寝静まった船内で酒を交わす時にだけ、ゾロもサンジも相手への思いを素直に出す事を厭わない。 「テメエはもうちっと上手く喜べ」 未だテーブルクロスの下に隠れるゾロをこの上もなく満たすその手を、剣ダコだらけの掌がきゅうっと包み込む。 「馬鹿たれ。これ位で喜ぶようじゃコックとしてはまだまだだぜ」 握り締められた手を跳ね除けることもなくサンジが笑う。 「そうか?」 逃げないそれの温度を感じるように、ゾロはゆっくりと指の間に自分のそれを絡め、 ゆっくりと指先で皮膚をなで上げる。 「おお、もっとテメエの口がクソ上手くなるようなもん食わせてやる」 「…おう」 ゆるやかな、それでも情欲を感じさせるような敏感な掌や指先への愛撫を平気な顔で受け止め、 にかりと幼児のような笑顔で笑うサンジにゾロは同じような表情を返す。 「おい、酒飲み終わったら…」 「ああ。するぞ」 計算も何もない相手の台詞に、ゾロもシンプルな答えを返す。 触れ合った指先は互いの温度で温かく、見つめ合った目のなかには燃えるうような劣情は無い。 ただ、強く光る眼差しだけが存在している。 ふと手元を見れば、左手にサンジの拳、右手には酒精が飛び回るよう猪口。 唇には漬物から移ったほどよい塩気、そして乾いた舌先には僅かな酒に酔い、熱を帯びた唇から覗く甘い甘い舌。 好物だらけの一夜。 終 はじめまして。こんにちは。藤堂あやと申します。 最近のジャンプ(特にカラー)はゾロとサンジがゾロサンな感じで、目が血走ります。 雄たけびます。 コンビニで不審者です。 いつか、捕まるかもしれません。ハアハア。 特に!先週合併号の黄色いサンジは何でしょうか。 あの二の腕が男らしいのに、足元プリティ。 相変わらず世界で一番ピンクが似合う男1の座に輝いてる(妄想に塗れたランキング)だけありますね。 ありゃ多分ゾロから貰ったんですよ。 女物を平気で着こなす(履きこなす)サンジにメロメロです。 相変わらず電波サンジスキーでほんと、すいません。 でも愛。 あ。よろしければ短い短いラブ文をお読みください。では! ↑20050504のSCCのペーパからのコメント。 なんとも言えないテンションで本当にすいませんー!!!!!! そしてこの話。 スーパでミラクルな感じに短くてすいません! 2005/05/08 |